移民は神様
友人の韓国人はちょっと金銭感覚がおかしくて、シドニー中心にあるアパートメントに、週1200ドル払って住んでいる。
週1200ドルというと、年62,400ドル、円高に振れている現在でさえ470万円以上である。
そして車は、8.5万ドル程度するアウディのコンヴァーティブルである。
8.5万ドルは約650万円に相当する。
加えて軽いアル中で、毎日six-packのビール(つまり6本)を全て飲み干すとのことである。
彼は以前言及した不動産エージェントBだ。
私の知る限り、彼の収入は人並みである。
やはり、頭のネジが少し緩んでいるようだ。
「給料を上げれば自動的に労働生産性が上がる」は机上の空論か
「単に給料や最低賃金を上げれば自動的に労働生産性が上がる」
と繰り返してきた。
私のロジックは机上の空論に聞こえただろうか。
―バカか。それができたら誰も苦労しないと。
―そもそも給料や最低賃金を上げるのが無理だろうと。
私に言わせると、メディアに出てくる自称知識人のロジックこそ、机上の空論にしか聞こえない。
彼らによると、
- 政府は成長戦略を云々し、産業構造を高利益率の云々で、
- 企業はIT化や設備投資して効率化を図り、
- 個人はスキルアップして云々…
すれば労働生産性は改善されると言う。
そんなこと、我々はすでに10年も20年もやり続けているのである。
10年も20年も試みて大した成果が見られなければ、それは無理ゲーだと認識すべきだ。
さて私の主張は
「労働生産性を上げたければ単に給料や最低賃金を上げるだけで良い」だった。
驚くべきことに、その机上の空論とも受け取られかねないロジックを、現実たらしめる方法が存在するのだ!
給料や最低賃金を上げても良いとき
あなたが仮に会社経営者だとして考えてみて欲しい。
一体どういった状況なら「給料を上げてやってもいいかな」と思うだろうか。
どういう状況なら、「また政府が法定最低賃金を上げたけど、ま、いっか」と思うだろうか。
それは、
「将来にわたって十分な需要がある、需要が増える見込みがある」
という安心感があるときではないだろうか。
労働者 = 消費者
前述した金銭感覚のおかしな韓国人の友人は、オーストラリアでは移民と呼ばれる。
(そして私もまた移民である。)
日本では、移民と言えば労働力としてしか語られない。
しかし実のところ移民は納税者であり、
また同時に消費者でもあるのだ。
納税者として言及されることはたまに聞くが、消費者として議論されることは一度も聞いたことがない。
自称知識人たちは一体どこに目を付けているのか?
私はこのことがいつも不満である。
需要を増やす超簡単な方法
オーストラリアでは2010年から2018年までに人口が12%増えた。
うち62%が移民である。
元の人口に対して7.4%もの消費者を移民によって生み出したということになる。
冒頭の彼ほど派手ではないが、私という移民も人並みに消費している。
オーストラリアにいる誰かの懐を潤しているのである。
移民は新規の「顧客」だ。
そして日本では「お客様は神様」と言う。
したがって 移民 = お客様 = 神様 なのである。