稼ぎたければオーストラリアに行け
「稼ぎたければオーストラリアに行け」
ヨーロッパのワーホリメイカーたちの間では、それが合言葉になっているらしい。
「ファーム(農場)は稼げる」
ワーホリの日本人がYoutubeでそう言っているのを見たこともある。
2004年に語学留学していたとき、周りの日本人には「仕事から離れ、のんびりするためにオーストラリアに来た」という人が多かった。
一方、韓国人には出稼ぎ目的の人がいた。
彼らは日本人よりdesperateだった。
それが今や、ヨーロッパ人も日本人も出稼ぎ目的が一定数いるということだ。
最低賃金比較 オーストラリア vs 日本
(Wikipediaより。出稼ぎ目的なので、ここでは「名目」で比較する。)
オーストラリア US$14.6 (世界1位)
日本 US$7.2 (世界?位)
興味深いことに、Wikipediaには「最低賃金が一人当たりのGDPに占める割合」が併記されている。
オーストラリア 54%
日本 43%
オーストラリアは最低賃金が高いから、その分、一人当たりのGDPに貢献している。
一人当たりのGDPは労働生産性と同義である。
労働生産性 = 一人当たりのGDP ≒ 一人当たりの所得
つまり、最低賃金を上げれば、自動的に労働生産性が向上するのである。
(前回、単に給料を上げさえすれば労働生産性は上がると書いた。それがここで確認された。)
労働生産性改善の正しいやり方
法定最低賃金を上げる―
当然これには痛みが伴う。
賃金上昇に耐えられない中小企業は倒産するかもしれない。
利益率の低い(効率の悪い)会社は市場から退場させられ、効率の良い企業がその分シェアを取る。
ニュースで倒産は良くない出来事として報道される。
当事者にとって、確かにそれは悲惨な出来事だろう。
しかし、非効率なビジネスが効率の良いビジネスによって置き換わる――これこそが、労働生産性の向上なのである。
よって、最低賃金を上げれば
- 単純に一人当たりの所得が上がる
- 所得が増えたおかげで消費も増える
- 効率の悪い企業(ブラック企業)が退場し、効率の良い企業がそのシェアを取る
といった効果から、労働生産性が向上するのである。
(もちろんほどほどのペースでやらなければならない。最近、韓国は急ぎ過ぎて失敗した。)
繰り返すが、
労働生産性 = 一人当たりのGDP ≒ 一人当たりの所得 である。
個人レベルでのスキルアップや効率アップ、汗水垂らして一生懸命働くことなど、労働生産性向上と(ほぼ)無関係なのだ。