初めての就職活動 in オーストラリア①
クリスマスホリデーを間近に控え世間が浮かれ始めたころ、私が日本人であることを理由に呼び出したリクルーターがいた。
聞けば彼女の家ではホームステイで日本人を受け入れていたということである。
日本人が家にいる環境で育った、と彼女は言った。
その日は彼女にとってホリデー前の最終勤務日だったから、きっとすでに仕事モードではなくなっており、ここらでは珍しい日本人をちょっくら見てやろう、くらいの気分で私を呼んだのだと思う。
面談が一通り済むと、彼女は親身になって言った。
「興味ある案件があったらいつでも連絡して」
何とありがたいことか。
Apply, Apply, No Reply が続いていた私には最高のツテである。
今後の就職活動に光が見えた。
が、結果的にその後間もなくとある会社に採用されたから、私はそのツテを使わずじまいになったのである。
結局、私はリクルーターを通しての就職は一度もない。
0/2である。
私の妻もリクルーターを通しての就職はない。
0/1である。
二人合わせると0/3となる。
オーストラリアでは、リクルーターを通じての就職が一般的であるにもかかわらず。
これは偶然だろうか。
そして私が執拗にリクルーターに絡むのは彼らを恨んでいるからだろうか。
日本人でも採用される可能性が高い募集案件
さてこのような現実を踏まえ、日本人で移民のあなたであっても採用される可能性が少しは高いと思われる具体例を挙げる。
(ところで募集案件は https://www.seek.com.au/ で探す。)
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リクルーターを介さず、企業が直接募集している案件。特に中小企業
リクルーターの顧客は企業だ。だがその企業にとっての最善を考えているわけではないと過去記事「リクルーターにとってあなたは駒でしかない」で述べた。
一方あなたが会社経営者だったらどうだろうか。
無能よりは有能な方、やる気ないよりはやる気ありそうな人物を選ぶはずだ。
実際私がシドニーで最初に採用されたのはこのパターンだ。
私の競合としてアメリカ人が応募していたらしいが、私は彼に勝った。
またそれより以前に、株式上場しているそれなりに規模の大きな会社から面接に呼ばれたこともある。
このときは勝てなかった。
ただしリクルーターが間にいたら、レジュメは秒速でゴミ箱行き(電子的な)だっただろう。
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募集していなくてもレジュメ(CV)を送り付ける
もしあなたが日本で就いていた専門性の高い職種がオーストラリアにもあったとしたら、これを試すといいかもしれない。
あなたのカバーレターとレジュメの内容を完全に理解してくれるだろう。
私が二回目に採用されたのがこのパターンだ。
しかしもしリクルーターが間にいたら、無視されていたかもしれない。
何度も言うが、彼らに専門的な知識はない。
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大学の募集案件
次に感触があったのはこれだ。
私は日本にいるとき、大学で働けるなんて思ったことがない。
そもそもPhDなんて持っていない。
だがオーストラリアで応募してみると、面接に呼ばれもしたし、「書類選考が次の段階に進んだ」といった連絡を受けたこともある。(少なくともレジュメは秒速でゴミ箱行きではなかった。)
だからもしあなたが技術系移民なら試してみるといいかもしれない。
大学はダイバーシティに配慮するから、移民のディスアドバンテージがやや緩和されるのかもしれない。
大学での面接
大学での面接は3人のネイティブスピーカーから専門用語で質問攻めにあった。
加えて3人とも険しい表情だった。
これは結構きつかった。
それ、どういう意味ですか? とは聞くに聞けない。
でもやっぱり「さすがだな」と感じた。
それはリクルーターには逆立ちしてもできない面接だった。
…私はやはりリクルーターを恨んでいるのかもしれない。
しかし今や私はオーストラリア内で二つの企業で働いたという実績があるから、彼ら好みの「無難な男」に近づいたはずだ。