オーストラリアでは猫も杓子も不動産投資 ④
不動産の神
運命の女神が微笑む瞬間は他にも見た。
ピークで売り抜けた人たち
シドニーのアパートメントで、私の隣にはオージーのお婆さんが一人で住んでいた。
彼女は入念に売却準備を進めると(エレベーターの電球まで取り換えさせた)、2Bed 2Bath 1carparkの物件を
900K(90万ドル)近く
で売り抜けた。これも市場のピークだった。
そしてその資金でもって自身を高級老人ホームに入れた。
私と妻は、彼女を天才と称したものだ。
さらには私自身が住んでいたフラットのオーナーである。
2年目の賃貸契約が終わりに差し掛かった頃、彼は売却を決意した。
これは、私が追い出されることを意味する。
(投資家向けにテナント付きで売り出されることもあるが、物件を一旦空にして豪華家具でデコレーションする場合もある。彼は後者を選んだ。その方が買い手が増える。)
一方で私は転職活動をしていた。
全くの偶然だが、私の転職が絶妙のタイミングで決まり、2年間住んだフラットを無事退去することができた。
不動産の売買記録を見られるサイトがあり、メルボルンに引っ越し後、その物件が売れたことを知った。
300K(30万ドル)ほどのキャピタルゲイン
を彼も手にしていた。
これが最後の売り時だった。