京都の「歪み」を見逃さなかった外国人観光客
二年前、日本に帰省した際に京都旅行をした。
しばらく行っていなかった京都は、いつの間にやら海外からの旅行者でいっぱいになっていた。
名所を回るためにバスを利用したのだが、これまた外国人観光客ですし詰めになっていた。
というのも、市バスの一日乗車券がたったの500円だったのだ。
「これはお得だ」と思って買った一日乗車券だが、外国人観光客もその「歪み」を見逃さなかったわけだ。
一方で、「外国人観光客が多過ぎて地元民の通勤・通学に支障をきたしている」という話も聞いた。
私に言わせれば、「さっさと値上げしろ」ということである。
日本を代表する、いや世界有数の観光地の一日乗車券がたったの500円なんてあり得ない。
デフレマインドが骨の髄までしみ込んで、正常な感覚を失ってしまっているのだろうか。
オーストラリアだったら、問答無用でガンガン値上げしてくる。
努力なしに労働生産性を上げる
ところでこの状況こそ、外国人流入によって高い需要が生み出された分かり易い例だ。
(かなり局所的だが。)
旺盛な需要があってこそ値上げが可能となり、企業の増益ひいては個人の収入増につながるのである。
そしてくどいようだが
労働生産性 = 一人当たりのGDP ≒ 一人当たりの所得 である。
ここで着目すべきは、企業や個人は特に何も努力していないのに労働生産性が上がる点である。
これが、移民国家オーストラリアが一人当たりのGDPを世界11位まで持って行った手法だ。
(日本は26位。過去記事)
オーストラリア人はイメージ通り、あくせく働いてなどいない。
無策な自称知識人たちの拠り所であるイノベーションなど必要ないのだ。
(あなたはオーストラリア発のイノベーションを幾つ挙げられるだろうか?)
その後、京都のバス一日乗車券は600円に微増されたようだ。
700円にしようという案があったようだが、有識者(自称知識人)によって阻止されたとのことである。