英語を話せないのには理由がある④ ディスカッションでパニクらない方法
私のIELTSのスコアは8点
シドニーの職場に、そう自慢する南米スペイン語圏出身の女性がいた。
「ほとんど勉強せずにね」彼女は付け加えた。
自分のポテンシャルは高いと言いたげだった。
IELTSとは
正直なところ正確なスコアは忘れたが、7点台では自慢するほどではないし、9点だったら忘れないはずだから、多分8点くらいだったと思う。
IELTSを知らない人のために注釈すると
IELTS 8点はTOEIC 満点より遥かに難しい、と思う。
このとき我々はビザに関して話していた。
彼女は、私が日本にいながらにして永住ビザを取得したのに対し、自分はスポンサービザを目指す段階(不安定な身分)であることを、不条理に感じていたのだった。
かいつまんで言うと彼女の中では
英語の下手な人=頭の悪い人
という公式が出来上がっており、自分より能力に劣るはずの私が永住ビザを取得できたことが納得できないようだった。
何かにつけて彼女は私と張り合う気満々だった。
移住してオーストラリアの会社で働いたりすると、こういう短絡的で痛い人とも付き合うことになるのである。
そんな彼女に私は
「すごいね」と答えたが、内心では
「あっそう」と思っただけだ。
どうか私を裏表のある意地悪な人間だと思わないで欲しい。
実際、彼女は面倒くさい人だったのだ。
ラテン語族
さておき。
話は逸れたが彼女のように、特別な訓練なしにネイティブのように英語を話す人たちなら何人も見た。
シドニーに来たばかりだと言うあるベルギーの若者は、明らかに日本人のそれとは違う、いかにも英語らしい英語を話したが
英語は一度も勉強したことがない。英語のテレビ番組を見てただけ
とのたまった。
この手の人たちはすなわち、ラテン語系(そこから派生、もしくは影響を受けた言語)の人たちである。
留学して語学学校やTAFE、大学に入り、グループディスカッションなどやらされると、そういった人たちに圧倒されることがある。
しかし思い出して欲しい。
仮に彼らが日本語を学ぶとなったら、とんでもなく苦労する羽目になるのである。
過去記事 “一方で、学校には欧米人も多少いたらしいが、彼らは苦労していたということだ。”
ディスカッションで雄弁に語る彼ら(でも大したこと言ってなかったりする)に圧倒され、くじけそうになったら、現代に至るまでの人類の歴史に思いを馳せてみて欲しい。
彼らが攻め、こちらが防戦一方になるのは必然なのだ。
落ち着きを取り戻したあなたは彼らの話の内容に対し心の中で呟くはずだ。
「あっそう」と。